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ストーリーズ

【従業員インタビュー】原動力は「人の役に立ちたい」。手術立ち合いのある営業職を経てフィールドサービスエンジニアに

 

毎年3月8日は、「国際女性デー(英語: International Women’s day)」。世界各地で象徴的なミモザの花が飾られ、女性たちの活躍や功績が称えられるとともに、社会におけるジェンダーの平等や多様性について考える一日として、位置づけられています。

また、3月は、歴史の中で女性がもたらした貢献に焦点を当てると定められた「女性史月間(英語: Womens History Month)」でもあります。

日本アルコン(以下「アルコン」)では、誰もが尊重され、自分らしく活躍できる社会に、という願いのもと、2024年3月に女性従業員4名へのインタビュー取材を実施し、アルコンでのキャリア形成や自身のキャリアのターニングポイント、インクルージョンに対する思いなどについて話を伺いました。

第回の三回目の記事では、国内唯一の女性フィールドサービスエンジニアとして奮闘する、山崎 史佳さんにお話を伺います。



アルコンに入社したきっかけと今のお仕事について教えてください。

新卒で入社しました。 当初はMR(medical representativeの略。製薬会社などの医療関係企業で製品の情報を医師や薬剤師に提供する営業担当者のこと)を目指して就職活動をしており、その過程で偶然アルコンの求人に辿り着きました。

その求人がサージカル事業本部の眼内レンズの営業担当だったのですが、「手術の立ち合いのある営業職」という職があることを知り、患者様に近いところで医療従事者の力になれるのではないかと思い、志望し入社しました。

今は、営業職を経て、サージカル事業本部 コマーシャルソリューションズ統括部 技術部でフィールドサービスエンジニアの仕事をしています。医療機関にご購入いただいた医療機器の保全や修理をする仕事です。

点検作業中の山崎さん



新卒での入社なんですね!入社後は眼内レンズの営業を担当し、今現在はフィールドサービスエンジニアをされているとのことですが、どのような経緯で異動をしましたか?

入社後約5年間、東北地方と中国地方で営業をしていましたが、ある日、社内公募で現在所属するコマーシャルソリューションズ統括部のコールセンターの仕事の募集があって。もともと機械が好きで、また、入社後、「より多くの患者さんのお役に立てるのでは」と機械の仕事に憧れていましたが、重い機械や器具を持ち運びする仕事であることもあり、当時女性はおらず、また、私自身も小柄であるため、機械の仕事はあきらめかけていたんですが、コールセンターの仕事であれば可能性があると思い、応募しました。

面接のときに、本当は直接顧客のもとに出向いて機械の保全や修理をするフィールドサービスエンジニアの仕事を希望していたということを伝えたら、「やってみたらいいじゃないか」とその希望を聞いてもらえて。

自分の希望は、口に出していうべきだなとその時学びました。



熱意は伝わるという、ものすごく貴重な教訓ですね。
晴れて希望されていたフィールドサービスエンジニアになったわけですが、営業職からの大きなキャリアチェンジだったかと思います。どのように新たな仕事を覚えましたか?

技術部は、一部の専任の技術担当がいる機器以外はすべての製品をカバーします。 そのため、それぞれの製品知識や機械の構造・メカニズムについての深い理解が重要で、研修期間は比較的長いと思います。機械の動く原理を学ぶ機会や、マニュアルなども整っていて、学ぶ制度や仕組みの面では恵まれています。

先輩方のご経験も長く、深い知識を持っている方々が多いです。

製品群も多いので、今でもその時々でテーマをみつけて、継続的にそのテーマを深掘りして勉強することを心がけています。思わぬところで自分の経験したケースと知識がつながることもあり、実務と座学の両方で学びを進めることで、知識をより広く、深いものにできると考えています。



今のお仕事に求められる重要な素質は何だと考えていますか?

一番は、なんといっても技術力です。フィールドサービスエンジニアとしては、機械のコンディションを保ったり、直したりすることが仕事で、この技術力が何よりも求められていることだと理解しています。特に故障時は、機械の症状から原因を的確に突き止め、迅速に対応することが求められますので、製品知識やメカニズムの理解は必須です。

軸はもちろん技術なのですが、人間と人間同士なので、顧客の気持ちを汲んで、ご希望に寄り添い、親身になって対応することも心がけています。

この仕事は、決まりごとも多く、時にご希望に添えないようなこともありますが、私個人が、一人のプロフェッショナルとして、顧客の希望を叶えたいと考えていることを行動で示すことは、この仕事をするうえで大切にしています。

社内についても同様で、私たちの仕事は、機械があってこその仕事なので、機械を売っている営業の努力を尊重したいと考えています。顧客と一番近い存在である営業の方々にとっても助けとなれるように、顧客に真摯に向き合うというのが、この仕事を始めたときからの自分の信条でもあります。



営業を経験されているからこそ、大切にされている視点なのかもしれませんね。 唯一の女性フィールドエンジニアとなったわけですが、働く女性として困難を経験したことや、苦労されたことはありますか?

苦労することといえば、機械の修理中などに顧客のもとに代替機を運ぶことがあるのですが、大型の機器だとどうしても一人で運べなくて同僚の力を借りなくてはならなかったり、あとは部品と部品を留めるねじが固くて回らなかったり、なんてことはよくあります(笑)

愛用の工具たち



あとは、技術職はどうしても男性の多い職種ですので、女性で、ましてやフィールドサービスエンジニアとしては小柄な私に対して、頼りない印象を持たれる顧客もいらっしゃいます。

例えば、男性の同僚と一緒に訪問して、顧客とお話をしていると、当たり前のように男性のサポート役だと思われて、全く目線を合わせてもらえないこともあります。自分も、しっかりと製品や技術について話せる人間だと理解していただくまでの一歩に時間がかかることは、もしかすると男性よりも多いかもしれません。

そんな中で、「これだから女性は」と仕事をする相手をがっかりさせないように、気を張っているところは少なからずあります。

仕事に向き合った結果、とても信頼してくださっている顧客もいらっしゃるんです。緊急対応や、機械の症状によっては遅くまで仕事と向き合うこともありますが、結果として、「頑張ってくれた」などと言っていただけると、とても嬉しいです。努力に対する称賛や、仕事ぶりを見てプロフェッショナルとして信頼していただけるのは本当に何よりの報いになります。

女性の少ない職種に女性が挑戦することは勇気のいることだと思いますし、逆も然りで男性にも当てはまることではないかと思います。
そのような挑戦をする勇気をどのように培いましたか。また、なにか助けになったことはありましたか。

私は昔から、男性の多い環境で一人前に仕事をする女性たちを見て、かっこいいと思ってあこがれていました。今でも、この業界には男性の方が圧倒的に多いのですが、私が入った時よりも女性が徐々に増えてきている印象です。

仕事で社内外の女性のプロフェッショナルと一緒になると、「私ももっと頑張ろう」という気持ちになり、励みになっています。

もちろん実際に、男性の同僚に助けてもらうこともしばしばあります。そのような周りの助けや理解は、素直にありがたいと感じています。

同じ職種に、もう一人でもいいから女性がいたらと思うことは、しばしばあります。あとは、技術部で使用する車両など、自動昇降の荷台付きのものが使用できるといいなと思います(笑)



女性が社会で活躍するために、どんなことが必要だと思いますか?

男女ともに共通することですが、子どもを育てながらお客様とのアポイントありきの仕事をしていると、困るのは子供の不調時です。急遽私か夫が仕事を調整して休まなくてはいけなくなるのですが、子供の側にいたい気持ち、誰かにサポートお願いした気持ち、仕事の責任もしっかり果たしたい気持ちなど色々な感情の間で揺れ動くことは、やはりあります。

病児保育をはじめとした制度の充実、フォローし合える職場環境、世間への理解の浸透など確実に前進している点も多いと感じますので、これからも多くの視点から、新しい解決策が世の中に生まれ、増えていくことを願っています。



育児に仕事に、日々忙しくされていますが、日常で楽しみにされているや健康維持のために心がけていることはありますか?

仕事中のささやかな楽しみは、お話し好きの方に出会うことです。訪問先などでお話し好きのスタッフさんがいらっしゃるとうれしくて、おしゃべりを楽しんでいます。

プライベートでは、帰宅してからの子どもとの時間です。夫の職場に保育園があり、送り迎えなどの対応をしてもらっているので、私が遅くなったりするとすでに寝ていることもありますが、子どもとの時間は癒しの時間です。

プラモデルや時計いじりも好きですし、育休中に産後ダイエットの目的で走り始めたのですが、週末のランニングもストレス発散になっています。走っている間はタイムのことしか考えないので無心になれますし、健康にもいいですよね(笑)平日はステッパーを1時間くらい踏んでいることもあります。仕事をしながら「ながら作業」ができるので、いいんですよ。



お気に入りのランニングコースの眺め(左)

お休みの日はお子さんとの時間も大切にされている山崎さん(右)



お仕事もプライベートの時間も、楽しんでいるのが伝わってきます。 山崎さんからは、芯の強さや迷いのなさを感じますが、お仕事を前向きに続けている秘訣があれば教えてください。

私の中では、仕事をするということは、小学校の次は中学校、その次は高校、大学・・・という流れの中にあることで、かねてから、働くことを当たり前のこととして捉えています。なので、秘訣があるというよりも、私自身の「考え方」という感じですね。

今は、仕事で英語を使うことが多くないのですが、英語をある程度話せるように勉強するというが、今年の目標です!