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ドライアイ

ドライアイを一口に言うと「乾いた目」ということになります。最近はスマートフォンやゲームなど、デジタル機器の画面を長時間見ることが多くなり、目の疲れを訴える人が多くなっています。それらの人たちにドライアイが良く見られることが最近の調査で分かってきました。そのほか、長時間にわたって字や物を凝視する仕事の人たちにも多くみられます。加齢や目を酷使することで涙の分泌量が減ったり、涙の質が低下することによって、目の表面をうるおす力が低下した状態をドライアイと呼びます。

どんな病気?

目の乾燥感が主な症状ですが、それに加え、ゴロゴロ感、目の痛み、まぶしさ、目の疲れ、白目の充血などの症状が現れます。ドライアイは、いろいろな原因によって涙の量が少なくなったり、涙の働きが悪くなったりすることで、目の表面にある「涙液層」がくずれ、乾燥した目の表面に傷ができてしまう病気です。

なぜ起こるの?

涙は涙腺(るいせん)という組織から分泌され、目に供給されます。涙は目の表面をうるおして、まばたきするたびに上下のまぶたの鼻側にある涙点(るいてん)と呼ばれる穴から流れ出ていきます。涙液はその後鼻の奥に流れていき、鼻の粘膜から再吸収されます。
ドライアイは、目をうるおす働きをする涙があまり出なくなったり、涙の質が変化して目をうるおす力が弱くなることにより起こります。涙の質のその他の変化として、涙が蒸発しやすくなる場合があります。涙は、まばたきをするたびに、上下の眼瞼縁(がんけんえん)にあるマイボーム腺から分泌される油の膜が涙の表面を覆って、涙が蒸発しないようになっています。通常は15秒ぐらい油の膜が維持されますが、ドライアイの人は次のまばたきをするまでに油の膜が破れてしまい、涙が蒸発しやすくなり目の乾きを感じます。

ドライアイを引き起こす原因としては、次のようなことが挙げられます。

パソコンのモニターなどを見続ける

  • パソコンのモニターやテレビゲームの画面を長時間見つめ続ける。熱中するあまり、まばたきが少なくなる。

乾燥した空気の部屋

  • 湿度が低い冬に部屋を閉め切り加湿器を使わずに暖房を使ったり、夏にエアコンをつけたまま、冷房の効いた部屋に居続ける。

加齢

  • 年を重ねると涙の分泌量が減り、質も低下する。とくに女性ではその傾向が強くなる。

ほかの病気によるもの

  • 糖尿病、慢性関節リウマチなどの膠原病、体全体が乾燥してくるシェーグレン症候群など。

内服薬

  • 血圧を下げる薬や精神疾患に使われる薬の一部には、涙の分泌量を減らす作用がある。

点眼薬

  • 目薬に含まれる防腐剤の一部が原因となって目の表面に影響し、ドライアイが生じる場合がある。特に複数の目薬を使用しているときには注意が必要。

予防策は?

目の保湿を心がけることが大切です。マイボーム腺を温めることによって涙が蒸発しにくくなります。パソコン作業やゲームをする時には、しっかりと休みを入れ、長時間続けないようにしてください。熱中するあまり、まばたきが少なくなることにも注意が必要でしょう。まばたきをすることで油の膜が再びでき、涙を保持できます。部屋の湿度が低いときは、加湿器を利用し、涙が蒸発するのを防ぎましょう。

ドライアイは、たいした病気ではないと思われ、軽視される傾向がありますが、ドライアイがきっかけになって重大な目の病気を招くことがあります。疲れ目、かすみ目、目の乾燥感、不快感、異物感、痛み、光を見るとまぶしい、目やにが出る、充血する、コンタクトレンズを入れると痛いなど、典型的なドライアイの症状がいくつか当てはまるようでしたら、眼科を受診してください。

治療方法は?

症状が軽ければ、涙に近い成分の目薬が処方されます。最近は涙を保持する目薬も出てきました。眼科医の指示に従い、適切に目薬を使用しましょう。目の表面に傷があって違和感がある場合は、眼軟膏を使うこともあります。また、涙の成分である油分の分泌を促進するために瞼を温めたり、マッサージをしたりすることもあります。これで改善しないときは、涙の出口である涙点に栓(涙点プラグ)をして、涙の流出を止める治療法や涙の乾燥を防ぐための特殊な眼鏡をかける方法もあります。

 

監修:東京医科歯科大学 名誉教授 所 敬 先生

JP-CORP-1900004 1909

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